たくさん一人旅をしてきた。今はきっと同じことはできない。だからたくさん旅行して良かったなと思う。
両親から、もういい加減にしなさいと言われても、私の一人旅は絶対にストップすることはなかったあの頃。
今思えば、まるで何かに憑りつかれたようなあの日々は、それまでの窮屈な生活から脱出したかったなのかもしれない。
私は、一人旅を一回、また一回と重ねる度に、間違いなくたくましく堂々としていった。
それはきっと自信のようなものだったのだろう。
自分で何から何まで全部準備しながら、一つ一つクリアして行くと言うその流れに酷く興奮した。
一人旅の面白さを知ってからの私にとって、他のことなどどうでも良くて全く興味のないことであった。
やっぱり変った女性だったのだろうか。
しかし、おかげで色んな経験をすることができた。
貯金は全然貯まらなかったけれど、もっとビッグな何かを手に入れることができたと確信している。
でも、今この年になって、同じことをしようと思ったら恐らく難しいであろう。
体力も精神力もフットワークも以前とは全く異なっているのだから。
だからこそ思うのだ。
あの時、たくさん旅行をしていて良かったなと。
恐らく、あの時にしかできなかったであろう経験ばかりだ。
母が言う。
自分には3人の子供がいるが、皆全く違う性格をしていると。
笑えるが、3人とも性別は異なっているのだがB型。
よく言われるB型気質なのかどうか分からないが、皆だまっているタイプではないことだけは同じ。
それぞれ見ている方向も価値観も違っているのが、こうと決めたら突っ走る。
それを評価してくれる人もいれば呆れる人もいるのだが、評価してくれる人とは間違いなく長く深い関係になる。
それを証拠に、私も旅仲間とは20年以上も続いている。