ホームページ作成の授業

かつて私が大学生であった頃は、世の中がようやく情報管理についての意識を高めなければ、と気づいたあたりだった。
そのためか、必修科目で情報処理なるものが1年次から入ってきた。
それも、一番眠い5時限目だった。
大学の講義と言うのは基本的には90分、さらに昼休みはしっかり1時間とるから、5時限目なんていう時間がいかに眠いものか分かるだろう。

その少し前は、インターネットだってほとんど一部のマニアや、それを生業にしている人くらいしか用のないものだったから、いきなりそれを高校生に毛のはえたような子らに教えるとなるのだから、なかなか果敢ではないか。
それも、何をするかと思えばホームページ作成に関しての授業だった。
ホームページ。
こんなにインターネット環境に恵まれている昨今ですら、自分で一からホームページを構築する一般人がどれくらいいるだろうか。
もちろん私には全く理解ができず、ただ渡された資料の手順にそって、なにやら訳のわからないフォーマットみたいなものを打ち込んで、ほんの少しのリンクを貼っただけの自分のホームページをつくった。
人生初のマイホームページだ。
まったく内容なんかない、形だけホームページという貧相なものを提出して、辛くも得た単位であったが、果たしてあの授業は、今の私の人生に役に立ったのだろうか。
たまたま職場で自社のホームページ作成に携わったことがあったが、まず何一つそれら情報処理というものに理解を示していない人間がまともなものが作れるわけもなく、結局のところ、プロに頼んだ。
その道専門の人にお願いしたのだ、お金を払って。
今日まで、あの授業で習ったことを活用できていないことは至極残念だが、まずその機会はこないだろうと断言できる。