新幹線のこと

新幹線が50周年を迎えたそうだ。
戦前からその草案があったという話を聞いて驚いた。
人間の想像できることは実現できるという名言はよく聞くけれども、草案があったという以上は理論はできていたということである。

一体いつから人間は、時速200キロ以上という超高速の乗り物をイメージしていたのだろうか。
その想像力に対しても脱帽である。
はじめは反対案の多かったという新幹線は、もはや世界に羽ばたいて浸透して行った。
人間の技術力というのはものすごい。

でも、私のような大半の凡人には、無論そんな理論がたてられるわけもなく。
素晴らしいのは一握りの天才ということであろうか。

そんな素晴らしい新幹線だが、残念ながら私はほとんど乗ったことがない。
ほとんど旅行も近くの温泉という出不精が、新幹線を使って出かけることはめったにないのである。

京都に何度か行ったときに行きかえりで乗ったのと、名古屋に行ったときに乗ったのと、そのくらいであろうか。
思えばせっかく四季の美しい日本に生まれたのに出かけないなんてもったいない人生である。
ちょっと見直そう。

とにかく、ほとんど新幹線に乗ったことのない私にとって、新幹線のイメージはいまだ「だんご鼻」で止まっている。
そのイメージの起源が、幼稚園のとき、給食に出た乗り物の形をあしらったチーズ。
いくつか乗り物のバリエーションがある中で、私のところにきたのがこの「だんご鼻」だった。
それも、前からかたどったものなのでまさにだんごなのであった。

そんな小さいときの鮮明な記憶が、未だに結びついている私は結構昔のことに固執するタイプのようである。
ともあれ、そんな昔のイメージでとまっている新幹線だが、最近のはずいぶんシャープなデザインになっているようである。
すっかり乗り遅れてしまっているが、高速で私たちを遠くまで運んでくれる新幹線は、行動範囲を広げてくれるありがたいものである。
せっかくなので、この秋にでも遠出してみようか。